2010年11月15日月曜日

絵画制作の基礎知識VOL.1

11月のスポット講座「絵画教室の基礎知識」無事終了しました。今回のスポット講座も、たくさんの方が受講して下さり、授業自体も非常に活気のある良い雰囲気となりました!


さて、今回は「名画から学ぶ構図」と副題し、構図の基本的な考え方から応用編へとお話しさせて頂戴いた後、絵画制作に欠く事の出来ない「エスキース」についての考え方をお話ししました。

構図について、授業では具体的に「ダメな構図」についてご説明しましたが、「構図」というのは絵のねらいがあって初めて具体性を帯びてくるところがあります。例えば、人物を描く場合なら、顔の表情を克明に捉えたい場合と、その人物を使って孤独感を表現したい場合では自ずと構図が変わってきます。狙いがあれば「ダメな構図」が「良い構図」になる事だってありえます。ご紹介したモランディの作品などはセオリー通りに考えると非常にきわどい構図ばかりではないでしょうか。構図を単なる入れ方と捉えずに、事前にエスキースを行いながら、イメージや狙いを具体的にしていきながら構図を考えると良いですね。

エスキースについては授業の中でも折に触れてお話しするのですが、なかなかそのイメージが掴みにくいようですので、今回講師Kがなんと、一つのモチーフをもとに50枚を超えるエスキースを作成して持ってきてくれました〜


デッサンから始まり、さまざまな素材・空間を扱ったバリエーションに富んだエスキースが並び、皆さん、とても興味深く作品を眺められていました。かなり多くの、素材の扱いや発想の持ち方など具体的な質問が飛び交いましたね!また、絵画コースの生徒さんであるTさんの作品からもエスキースをお借りし、スライドにてご紹介させて頂きました。


一つのモチーフから複数の作品イメージを展開するK講師のエスキース、モチーフの配置や空間の扱いを微妙に変化させ一つの作品を掘り下げていこうとするTさんのエスキース。エスキースに「こうしなければならない」という決まりやタブーはありません。また、初めからイメージが具体的に見えていてエスキースするものでもありません。手を動かす事で構図や色彩へのイメージ、作品の中で狙いたい内容など具体的になってくると思います。エスキースなら、ひどい失敗しても大丈夫ですし、気軽にやってみたい事を試せますね。

次回絵画制作の基礎知識、エスキースの実践編、みたいな企画が出来たらな〜と考えています。今回の講座について、受講された方の感想やご意見お待ちしています!