2010年6月22日火曜日

月曜─抽象コース・絵画コース・水彩画コース授業紹介


月曜日のコースに対して4月から新たなシリーズとして始めた「ヨーロッパの19世紀末から20世紀の前衛運動」についての画集講義が2ヶ月で一段落しました。4月からの2ヶ月間の講義内容は以下の通りです。

「シュルレアリスム─オートマティズム」
ドイツ表現主義とナチスドイツ─ノルデ、キルヒナー」+アンソール
「モンドリアンとデ・ステイル」
「ナビ派─ボナール、ヴュイヤールを中心として」
「モネの晩年─ジュベルニーでのシリーズ」
「パウル・クレー」
「ジャポニズム」+セザンヌ
「世紀末ウィーン─クリムトからシーレ、ココシュカ」

そして6月から新たに抽象絵画研究のシリーズが始まりました。

「形成期のキュビズムから分析的キュビズムへ─セザンヌからの影響」
「総合的キュビズム─コラージュ、パピエコレ」
「ニューヨークスクール─デ・クーニング」

抽象コースでは、今までは生徒さんの人数も少なかったこともあり、個別の自由テーマによる研究だけでしたが、6月からはそれに加えてワークショップ的な授業を取り入れました。

最初は画集講義とリンクさせてキュビズムの絵画空間研究です。ピカソとブラックの図版を配り、レクチャーがあり、キュビストになり切り静物を描くという課題です。皆さん最初は物にとらわれ、自分の画面に眼がいきません。物の形をポジの形とすれば、それ以外の形はネガの形です。このネガの形を意識して、ポジの形以上に積極的に描いていくことがこの課題のポイントです。




Oさんの作品です。レクチャーを頭では充分理解されていましたが、いざ描き出すと、最初のうちはセットされたモチーフの、物の部分ばかりに眼がいき、花瓶やカボチャを描写することになってしまいました。途中で軌道修正し、画面全体に眼がいくようになり、なかなか感じが出てきましたね。


次の課題では総合的キュビズムの時代のピカソの作品をテキストとしてコラージュによる静物画を描きました。


垂直、水平、斜め線、円弧の構成感で描くというルールでやって頂きましたが、何故か皆さん、ルールを無視したりして(笑)個性的な作品になりました。ご自分の興味のあることに引き寄せて描くことが出来ていると言えますね。皆さん「えー!難しい!」と言いながらも、かなり楽しそうでした。