2010年5月7日金曜日

「短期講座第1弾 人物を描く」始まりました。

本日より、2ヶ月間の人物講座がスタートしました。授業の様子を(目標としてこの講座が終わるまで毎週)ブログにてご紹介させて頂きます!




今回は合計8回の授業で、原則としては1枚の作品を仕上げるというスケジュールです。初回となる本日はまず、人物に慣れていただくため、クロッキーを行いました。クロッキーというのは、5分や20分など、比較的短時間で対象物を捉えることです。特に描き方の決まりはないのですが、今回は人物モデルを描くのは初めてという方が多かったので、とにかく手を動かしながら人物固有の空間に慣れて頂く事、全体のバランスを見ながら描く事を目標に描いて頂きました。全体のバランスを見ながら描く・・・口で言うのは簡単ですが、これがなかなか難しく、リカちゃん人形(古いですね)のようなプロポーションになってしまったり、頭から描き始めて画面に入りきらず足が切れてしまったり・・・。今回は画面の中でのバランスを見ていくポイントとして、次の事をお話しさせて頂きました。

 ・画面の中での頭の位置を決めたら、肩や腰、脚がどう入るか大まかにイメージして当たりをつけてみる(その上で構図が悪ければ、頭部の位置を動かしてみる)

ほとんどの方が、頭を描く時には頭のみ、腕を描く時は腕のみにしか意識がいきません。結果的に全体のバランスが崩れるのは当然なのです。その他にいくつかポイントをお話ししましたがここでは省略します。

一日分のポーズが終了したところで、今日描いた中から1枚を選んで頂き、そのクロッキーについて個々にアドバイスさせて頂きました。授業の中で、「クロッキーというのは、常に全体を捉えなくてはいけないというものではなく、時には手や顔だけ等、気になる部分のみ描いてもいいですよ」とお話をさせて頂いたのですが、出来上がったクロッキーの中には脚と手だけを描いたものがありました。ご本人曰く「好きなんですよ」という事でしたが、興味があって描いているだけに表情の柔らかい、いい線を引いていらっしゃいました。

形を正確に捉えるだけでなく、自分できれいだと思う事を見つけ、それにこだわりを持って描くという事も絵を魅力的にしていく重要な要素ですね。


今回の受講生の中では唯一、人物モデルを描いた経験のあるYさんのクロッキー(2枚とも)より。