まずは作品からご紹介していきましょう。
KSさんの制作風景。
ご自身が取材した風景をもとに、ご自身の感覚で対象物をデフォルメして描いていきます。明快な色調と、ユーモアを感じる形態。不思議な魅力のある作品です。木の表現など上手いですね〜。なかなかこうは描けません^^
KSさんの今回の作品は、連作になっています。デフォルメの過程で、どのようなリズムの形態にしていくのか、何を描いて何を描かないかなど、よくコントロールされています。
Oさん制作風景。
キャンバスに薄塗りのアクリル絵の具で描かれているOさん。いつもデリケートな色調が美しいです。今回は、風景のような、でも風景画に見えないような、その中間に仕上げたいと(いう感じのこと)仰っていました。こちらも3枚連作で描いています。Kさんと違い、3枚で出発のテーマは共通しているところはあるようですが、3枚それぞれでいろいろ模索されているので、最終的にどう落とし込んでいくのか興味深いです。
KMさん作品
記憶の中にある植物や静物の形態をモチーフに描くKMさん。今回は洋梨やコーヒーの木をモチーフに描いています。描いているものは具象的なテーマで、形態も葉や実など何を描いているのかはっきりと分かるのですが、絵の作りはオールオーバーで、画面全体が均質化されていて、そこがとても面白い作品です。抽象画的な画面の作りなのですが、具象的なイメージも持ち合わせていて、そのあたりのさじ加減がとても上手です。
KMさんの作品はもう何年もこの組み合わせの絵の具で描かれています。ウルトラマリン・イエローオーカー・バーミリオン(?)。つまり青・黄・赤です。3原色と呼ばれる組み合わせで、この3色があればどんな色でも作ることができる、と言われる3色です。これにホワイトを混ぜてトーンの調整を行っているのですが、出来上がった作品を見るともっといろんな絵の具を使っているのでは?と見えるのではないかと思います。混色のお話については、え塾HPのコラム「絵の話 画材の話」で改めてお話しさせていただきますが、色作りがとても成功している例だと思います。
Yさん制作風景。
Yさんは度々「スポーツをする人」をモチーフに絵を描いていますが、今回のテーマは「ヨガ」!0号のキャンバスにヨガのポーズを一つずつ描いていくというコンセプトです。0号が数枚固まって一つの作品になるということですが、どんな作品に仕上がるのか興味深いです!
こちらは、抽象画コースと同時に授業を行っている水彩画コースの生徒さん、Hさんの作品です。水彩画コースですが、抽象画のような作品ですね^^オーロラの雰囲気を水をたっぷり使った水彩絵の具ので表現しています。水の力を利用して絵の具を滲ませたり、画面上で色を混ぜ合わせたり、濁らないよう筆で触りすぎないようにコントロールすることがポイントですが、Hさん画面をよく見て制作できていました。
同じ先生が同じように授業を行っても、在籍している生徒さんによってクラスの雰囲気も随分異なります。抽象画コースも午前と午後ではだいぶ雰囲気が異なりますね。
午前クラスの記事はこちら
抽象画コースではどのように授業をしているのか、どのような指導がなされているのか?
についてもお話しするつもりでしたが、長くなりましたので、それはまた次回に^^
(秋山)