2018年7月3日火曜日

抽象画コース授業紹介(午前編)

久しぶりの授業紹介です。今回は月曜に行っている抽象画コースをピックアップしてご紹介させていただきます。

抽象画コースは毎週月曜の午前と午後に授業を行っています。このコースの授業では、生徒さん全員が決まったものを描くというスタイルは取っていません。基本的に、ご本人が描きたいものを描く、というスタイルです。ですので、表現スタイルも実に様々です。

少し作品を見ていきましょう。

まずはFさんの作品3点(いずれも部分)。




上記2点は<油彩転写>という、クレーもよく行っていた手法で描いています。3点目のみオイルパステルを使用しています。いずれも、線描は油性の素材を使用し、ベースの色彩は水性のものを使用しています。はじく、染み込む、かすれる事など、それぞれの素材が見せる表情をうまく利用しながら絵作りしています。そうした偶然性の面白さだけでなく、ご自身で意識的に引いた線のリズム、形態が小気味良いバランスを生んでいます。色彩も綺麗ですね。まだ制作途中の様ですので、どこに行き着くのか楽しみです。





Tさん作品より。
いつもは色彩豊かで奔放な作品作りをされているTさんですが、今回は敢えてモノクロームの作品に挑戦。トレーシングペーパーを使い、半透明である事を利用した作品作りを模索されています。色彩を抑制した分、タッチや微妙なトーンの変化などに目がいきます。今後何を制作の中心に据えて制作していくのか興味深いです。
え!あの作品がこんな風に!…と成長するのをお待ちしています^^





Sさん作品より。いずれも制作中。
全体を眺めてしまうと漠然とした印象なのですが、近くで見るとびっしりと引かれた極細の線や、わずかに透ける絵の具の表情や微妙な色彩のトーンが作者の独特な感性を感じさせます。種明かしをすると(しても良いのかな^^;)実は「バナナジュースを飲み干した後のグラスの表面」をモチーフに描いているとのこと!グラスにだらだらっと付着したバナナジュース、その表情が面白くて制作の動機になったそうです。日常の何気ないシーンからモチーフを探せるところが素晴らしい。




Yさん作品。
Yさんの作品もとても面白いのですが…この日はあまり写真が撮れませんでした。残念!Yさんの作品は、色彩の移ろい、薄さ、軽さ、ちょっとした凹凸などが見せるわずかな変調によって絵が構成されています。素材もいわゆる画材だけでなくリボン・シール、スタンプ、あるいは自作の何か(?)など<本当に自分の好きなテイストのもの>を吟味して持ち込んで制作されるので、こちらも見ていて何がどうなるのか非常にワクワクさせられる生徒さんです。




Hさん制作風景
最近入られたばかりのHさん。入られたばかりですが、一目でベテランだとわかります^^クロッキーが上手いです!クロッキーはどこか別の教室でムービング(人物が動いているところを描く)の授業で描いたものという事で、このクラスではそれを元に油彩で制作をされていました。線だけでも十分見ごたえあります。



ちょっと普通の絵画教室ではないですね^^
普通ではないけれど、かなり面白い雰囲気になっています。抽象画、ちょっと興味あるという方、ぜひご見学ください。お待ちしています。

次回は、抽象画コース授業紹介(午後編)と、「いったいこの教室どんな指導を行っているの?」という事に少し触れたいと思います^^
(秋山)