2014年7月17日木曜日

2014前半の授業紹介 その2

今回は河野先生が担当している、火曜・水曜のデッサンコースと絵画コースBの授業をご紹介します。

まずはデッサンコースの授業から。


↑デッサン制作風景。
今回のモチーフは石膏像でした。絵の基本はデッサン、中でも石膏デッサンは基本中の基本!というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。え塾の授業では、石膏デッサンは美大受験生と同じやり方で指導していますので、まさしく絵の基礎トレーニングといったイメージにぴったりです!授業中は皆さんとても真剣に、まるで美大受験生のように集中して描かれています。


デッサンの授業では、木炭か鉛筆か描画材が自由に選べるます。といっても、木炭を使用しているのは、ある程度経験を積んだ方が多いようですね。上記はSさんの制作途中。木炭がたっぷりとのっていて良い感じです。
デッサンを基本からしっかり学びたいという方、河野先生のクラス、お薦めです!


次は絵画コースBのご紹介です。え塾では、月・木・金に授業を行っている方を絵画コースA、火・水に授業を行っている方を絵画コースBとしています。これはレベル設定ではなく、指導を担当している講師の違いで、どちらも共通して、油彩・水彩・パステル・アクリルなど様々な描画材で制作がすることが出来ます。

今回の絵画コースBの授業は「ニュース」というテーマで、それぞれが自由に発想して絵作りをされていました。


↑YGさん制作風景
YGさんは絵を描くのも見るのもベテランで、絵に対するイメージが豊かですので、作品の表現がこなれています。たいていは風景写真や静物をモチーフに描かれますが、そのまま描くという事はせず、画面の中で構成して画面の中のバランスを注意深く観察しながら描き進めていきます。今回のこの絵はクロアチアにご旅行に行かれたときの写真を構成して描かれています。旅行中の私的な「ニュース」をテーマにした作品、といったところでしょうか。


↑Hさん制作中。
お孫さんが遊んでいる最中のスナップ写真をもとに描いた1枚です。画面上部の3人の少女の表現が面白いですね。遊びの中で、幼い子供の想像と現実の境界が曖昧になっているといったイメージが伝わってきます。アクリル絵の具でずっと制作されているHさんですが、絵の具に慣れ、描写も上達しています。


↑YSさん制作中。
絵画クラスBは、アクリル絵の具で制作をされている方が多いです。アクリルは油絵の具に比べ乾きが早いですし、透明水彩に比べると塗り重ねが容易で修正もしやすく、比較的扱いやすい絵の具で、また、しっかり描き込むには適した画材です。YSさんもしっかりした描写が説得力のあるところまで来ています。惜しむらくは、構図にもう一工夫欲しいといったところでしょうか。


↑Kさん完成作
絶滅危惧種であるアフリカ象をモチーフに、いくつかの写真資料を参照しながら描かれています。今回Kさんは、日本画の竹内栖鳳の様に動物を描きたいというイメージをお持ちで、構成や色調、写実的な描写と線描のバランスなど、上手く栖鳳らしさを取り入れた画風になりました。絵を描く時に大切な「何を(モチーフ)」を「どのように」描くか、このふたつが明快に絞り込めた事が今回の作品の完成度に繋がったと言えるでしょう。今後シリーズで描いても面白い主題ですね。

今回の課題では「ニュース」がテーマになっていると前述しましたが、「ニュース」の解釈を社会的な、いわゆる報道的なものにテーマを求めた方と、私的な話題にテーマを求めた方とさまざまに解釈して頂き、今回ご紹介した作品以外にもさまざまなテーマの絵が見受けけられました。今回の作品の中から11月末開催のえ塾展に出品できる作品が出てくるかも知れません。(秋)