2014年7月18日金曜日

2014前半の授業紹介 その3

今回は木曜の絵画コースAの授業をご紹介します。絵画コースでは、デッサン・油彩・水彩・アクリル・パステルなど、ご本人が使いたい素材で絵を描いて頂いております。また、課題もこちらがご用意させて頂いている静物などの決まった課題と、ご自身に自由にテーマを決めて頂いて描くものと選択して描いて頂いています。

という訳で、まずはえ塾でご用意させて頂いている課題制作の様子からご紹介。


↑Mさん制作中。
まだ油彩は4枚目ぐらいでしょうか。やや古典画的なアプローチで、じっくりと時間をかけ丁寧に制作されています。画像を拡大して頂ければ分かりますが、リキュールのボトルの文字などとても丁寧に描き上げています。リキュールボトルの透明感や手前のポットなども質感も出てきていい感じです。もう少し時間がかかりそうですが、出来上がったら見応えのある作品になりそうですね!


↑TさんUさん制作中。
手前の作品のTさんは油彩はこれで2作目でしょうか?パステルや水彩を経て、油彩に行き着きましたが、油彩が一番合っているかも知れません。お二人とも、油絵の具の扱いにはなかなか慣れない、特に色をどう表現すれば良いのかさっぱりわからない!と仰っていらっしゃったので、画集をお見せして少しお話をさせて頂きました。


上:ゴーギャンの画集より。下2冊:ゴッホの画集より。
確かに絵の中の色調を考えるのはなかなか難しいものです。もちろんモチーフの色を再現する気持ちで、よく観察しながら描いて頂いても良いのですが、いつも固有色で描くだけではつまらないし、そうしなければいけないという決まりもまたありません。ちなみに、画集の中のゴーギャンの砂浜ピンクです。ゴッホの空は黄緑色?お二人とも、画集を見れば「キレイ〜」とおっしゃるので、ではこの絵の中の色を使って、今回の静物を描いてみてはいかがでしょう?とご提案させて頂きました。Uさんはゴーギャンの作品がとても気に入ったようで、静物の中のテーブルをピンクに変えて制作中です。お二人とも出来上がりがとても楽しみ。

次にご紹介するのは、個々に自由なテーマで設定して頂いている方達の作品から。


↑Hさん制作中。
Hさん、ハワイのフラのダンサーを描き中。一回制作を切り上げたものの、気にかかるところがあったようで再度筆を取りました。描き出してみると、あれもこれも!と大修繕になってしまいました。という訳で、体の部分は今回はお見せ出来ません(笑)。でも、このこだわりが、きっと良い結果を結んでくれると思います!


↑Oさん作品。
Oさんは、描きたいテーマはあるのですが、どんな風に描きたいかという部分でいつもとても迷われます。「どんな風に描きたいですか?」と聞かれるのがとても困るそう^^;
今回とても苦労されたのが、テーブルと背景。こういった情報量は少ないけれど、画面の印象に大きく関わってくる部分をどう表現するかは大切な問題です。よりイメージを持って描く必要がありますが、引き続き今後の課題でしょうか。Oさん、ともに頑張りましょう!


↑Fさん作品。
旅先のスナップを作品にされています。グレートーンの町並みに庇の赤が効いています。Fさんはとても器用な方で、それこそ油彩はまだ数枚しか描いていらっしゃらないのですが、パース(透視図法)の問題やカフェのごちゃごちゃしている部分の表現などサラリと(ご本人にはご苦労はあるかと思いますが!)こなしているように見えます。ある程度引き算された色彩の使い方もお上手です。



↑Eさん制作中
誰もが見惚れる!あの名画を模写中です。この模写の前にEさんはお嬢さんの絵を描いていらっしゃいましたが、途中から絵の具の使い方、顔の描き方が分からない!と仰って、急遽模写をする事に…。幾つか候補を選んだ後、この作品に決まりました。「絵の事は絵からぶ」シンプルですけど、これが実はとても勉強になるのです。プロセス、色、形の作り方など、図版を観察しながらさまざまに想像力を巡らしながらの作業は、一見抽象的に見える絵を描く作業をとても具体的にしてくれます。

迷った時には模写を取り入れる…お薦めです。

この他にも、沢山の方がえ塾をご利用下さっていて、さまざまな学びがあるのですが全てお伝え出来ないのが残念です。この学びの成果は11月末開催のえ塾展でぜひご観覧いただければと思います!(秋)