いよいよ寒さも本番!という気節になってきましたね〜。早いもので今年も余す所あと2週間になって参りました。今年も多くの方々の、たくさんの作品とおつきあいさせて頂きました。いい作品・楽しい作品とのたくさんの出会いがありました。
という訳で、今年後半に行った短期講座から、授業の様子を少しお伝えさせて頂きたいと思います。
まずは11月に行った「油彩で描く花」より。
この講座では、生花をモチーフに「変化するもの」を油彩で素早く捉えるコツを中心に授業をさせて頂きました。下記はその時の受講生作品です。
そして、その時のモチーフ↓
絵のモチーフとして花はとても人気がありますが、形が複雑な上、萎れてしまったり枯れてしまったりと、じっくり時間をかけて描くのが難しいモチーフです。そこで今回は「スケッチをする」「写真撮影して資料を作る」「ウェットオンウェットで描く」などいくつかの視点から「変化するもの」に対応するコツをお話しさせて頂きました。
今回の優秀作品のひとつ↓
受講生Sさん作品より
最大のポイントは「ウェットオンウェットで描く」でした。油絵具の場合、水彩やアクリルに比べ乾きが遅いため、描くのが難しいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ウェットオンウェットというのは、つまり、乾かさないでどんどん絵具を重ねるという技法ですが、授業ではエドゥアール・マネの花の絵をお手本にしながらそのポイントをお伝えしてみました。慣れてくると、乾いていないときや生乾きのときの表現もなかなか面白いものです。上記Sさんの作品は、ほぼ4時間ぐらいで描きあげられたものですが、筆のタッチやウェットオンウェットの利点を上手く活用して表現できています。また、資料として活用したマネの特徴である、黒やグレーや白の響きも上手く応用できた作品に仕上がりました。
続いては「人物を描く」より。人物講座はえ塾では年2回行っていますが、今回は「ジプシーの女」というテーマでモデルさんにコスチュームを選んできて頂きました。なかなか雰囲気のあるモデルさんで絵作りしやすい印象でした。
↓Wさん作品。
この講座では素材や絵のスタイルは描く方に自由に決めて頂いています。
普段はデッサンの講座をとっていらっしゃるWさん、
ずいぶん描写力がついてきていますね。
↓Kさん作品。
水彩の柔らかい色調が特徴的なKさんですが、
今回はモデルさんのコスチュームの印象に影響され、
パステルを併用しています。
パステルを併用しています。
ブラウスや頭部に使っている水彩の柔らかい色調と、
スカートの濃厚な色が上手く対比しています。
↓今回初めて、え塾の講座を受講されたNさん。
静物に比べ人物は苦手とおっしゃっていましたが、
人物の雰囲気がとても自然に捉えられています。
メリハリのある絵具の表情がとても気持ちの良い作品に仕上がりました。
その他、今期は1日きりのスポット講座として、紙メーカーのミューズ社さんより講師の方をお招きして、水彩紙に関するレクチャーをして頂きました。水彩を描く方にとって、紙選びというのはなかなか難しいものなのですが、今回は講義とワークショップで、水彩紙の性質や特徴などについてわかりやすく解説して頂きました。
アルシュやファブリアーノが描きやすいというのは分かりますが、初心者の方や習作用に皆さんがいつもアルシュやファブリアーノを使える訳ではありません。作風によっては別な紙を選択した方がいい場合もあるでしょう。そのあたり、自分自身ももっと知識を付けたい思ったところでしたので、この講座、とても参考になりました。頂いた情報や資料を元にまた研究し、受講生の皆様にフィードバックし出来ればと思います。
↑ワークショップの様子
2種類の紙に水彩の技法を試し、その結果を観察しました。
皆さん、違い分かりましたか?
さて、来年の短期講座は1月から始まる「絵具で学ぶ写実の基本」、2月の「人物を描く」「デッサン超基本講座」、それぞれ受講生を募集しています。
↑次回の「絵具で学ぶ写実の基本」の課題。
↓ただ今サンプル作成中(第3過程まで終了)
一見難しそうに見えるかもしれませんが、プロセスを明解にし、
分かりやすい授業になるようただ今調整中です!
写実的な表現に興味のある方、油絵で描いてみたい方、お薦めです。
え塾では、通年、絵の楽しみを知って頂けるよう、様々な講座をご用意しております。「自己流で描いてきたけれども、やはりアドバイスが欲しい」「リタイアして時間ができたので絵を描いてみたい」「初歩から学びたい」などなど、様々なニーズの方に対応しております。ご興味のある方、是非ご見学にいらして下さい。
最後になりますが…今年一年、え塾の授業をご利用頂いた皆様、ありがとうございました。引き続き来年もご愛顧のほどよろしくお願い致します。また、よりいっそう楽しい授業が出来るよう工夫して参りたいと思います。
では時節柄、お身体ご自愛下さい。来年また、お会いしましょう(秋)。