日本画の短期講座「もみ紙に描く」の講座が無事終了し、作品が仕上がりましたのでご紹介させていただきます。
Tさん作品
下地に複数の色を施したもみ紙。南天の余白にもみ紙の表情が効いていますね。南天の実の描写も見事です。
Sさん作品
あえて主役のものを端に配し、余白を活かす構図が功を奏しています。どの程度もみ紙を作る時に絵をイメージされていたのでしょうか?暗さの中に雪を散らせるなど背景の色調を上手く活かせていますね。
Aさん作品
下地の色のせいでしょうか、上に乗せた黄土色がまるで金箔のような華やかさを持って見えています。紅葉した紅葉の雰囲気にとても合っています。
Kさん作品
あえて説明的な描写をしないことで、絵肌の魅力がダイレクトに伝わる作品になっています。色の選び方もいいですね。抑えた色調ながら華やかさ、迫力のある作品に仕上がっています。
Hさん作品
日本画が初挑戦というHさん。難しい日本画の絵の具を見事に使いこなしています。蛇の描写も見事ですね。
Wさん作品
もみ紙の色調と絵肌がとても美しい1枚です。落ち葉の中の妖精という設定で描かれています。絵のテーマと色調がうまく合っていますね。
今回のもみ紙のように、描き出しに、図柄とは関係なく色を塗ったりマチエールを作るという手法は、日本画だけでなく様々なジャンルの絵画でなされていることですが、こういった手法は初心者や経験の少ない方にこそ、どんどんチャレンジしていただきたい手法です。
今回の作品を見ていただくと、描写的な仕事をしていない部分も色調や絵肌などがとても魅力的にできているのがお分かり頂けると思います。「ラクして絵を良くする」と言ってしまうと語弊があるかと思いますが、ただ筆で描写するだけでなく、様々に絵を面白くするテクニックがありますから、ぜひ今後の制作にも取り入れて絵作りを楽しんでいただければと思います。(秋)