2010年12月30日木曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。毎日寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
え塾の会員の皆様には旧年中はたいへんお世話になりました。今年も昨年以上に充実した授業を目指して、講師、スタッフ一同努力致しますのでよろしくお願い致します。
去年の暮れのお休み中に(秋)と(北)で2日がかりでアトリエの床を磨き、ワックスをかけました。2人とも筋肉痛になりました。

ピカピカの床


さて、今日は月曜日のコースの授業をご紹介します。月曜日の午前と午後のコース(抽象コース、絵画コース、水彩コース)では、画集を用いた講義を1時間、絵画制作時間2時間となっています。画集を使った講義は、作品を見る眼を養うこと、作家について知ること、表現と社会、時代との関係を知ることを通してより美術を楽しもうということを目的に行っています。当初は参考になりそうな画集を毎回アトリエに持ち込み、その作家について10分から20分くらいお話しするという程度でしたが、だんだんとテーマが生まれ、講義の形式となり、1時間から時には2時間に及んだこともありました。毎回の内容も少し連続性を持たせ、時代順に、また逆に遡ったりしながら学びました。皆さんからのリクエストに答えた授業を行なうこともありました。最近では展覧会にあわせて作家を解説するという授業も行うようにしています。このように授業形式や内容は少しずつ変化してきました。
以下は授業の記録です。

2009年9月─12月 画面への接触をテーマに解説 7回

2010年1月─6月 20世紀初頭の前衛芸術運動を、19世紀末に戻りつつ、2つの世界大戦と結びつけながら抽象絵画の形成を学びました。13回

2010年6月─8月 戦後アメリカの抽象表現(ニューヨークスクール)6回

2010年8月 2人の20世紀の具象絵画の巨匠 2回

2010年9月─12月 マネを出発点として、西洋絵画の歴史を逆に遡り、西洋近代の世界観を知る(途中、ランダムに日本の作家、現代の作家を挟んで) 13回

配付資料


昨年も皆さん、熱心にノートを取られ、聴いていただけました。新年の最初はその番外編の新春企画として、1月10日の成人の日に損保ジャパン美術館での櫃田伸也展の会場で、櫃田伸也さんご本人にお話を伺うという授業です。月曜コース以外の方も、どなたでも参加自由です。(無料です。ただし、これから参加される方は展覧会の招待券がありませんので、会場には券をご自分で買って入っていただくことになります)
参加される方は1月10日a.m 10:30までに新宿の損保ジャパン美術館の待ち合いコーナーへお越し下さい。

年始のレギュラー授業の始まりは1月11日(火)のデッサンコースからです。お休み中風邪など引かれないようにご自愛下さい。(北)

2010年12月22日水曜日

水曜デッサンコース&アクリルコース 両コース今年最後の課題です。

デッサン、アクリルとも今回の課題は計4回(1回3時間)に渡り制作してきました。
なかなかよい出来です。今年はこれが最後の課題でしたが、みなさんとても上達したと思います。
来年も更なる飛躍を期待します。良いお年を、お迎えください。(河)





デッサンコース:静物デッサン 木炭紙大画用紙 素材:鉛筆


アクリルコース:構成課題 B3画用紙 素材:アクリル絵具

2010年12月14日火曜日

絵画コース授業

今日は最近の絵画コースの授業作品をご紹介しましょう。
絵画コースでは、それぞれの生徒さんの経験や進度に合わせてアドバイスをしていますが、共通のテーマとして「これから描く絵のイメージを持つこと」であったり、「そのイメージを探し、作るために、エスキースをしっかりと行なうこと」などを、強調してきました。なかなか難しいことではあると思いますが、最近の教室内の何人かの生徒さんの作品には、そのことがそれぞれのやり方で出来つつあるのではないかと感じています。



まずはIさんの作品です。Iさんは最近の何点かは、常に絵具を画面に付けていく触感を大切に描かれていました。この課題は、2つの台上にバラバラに配置されたモチーフを一つの画面内に自由に構成するという、大変難易度の高い課題でしたが、Iさんはストーリーを作り、雰囲気のある光のイメージで、画面の世界観を作っていくことに成功しています。




次にHさんの作品です。
Hさんは、長い間、透明水彩だけで描いていましたが、ある作家の作品に興味を持ち、その作家の表現を研究することの中で、モチーフを写すことではなく積極的な絵作りを始めました。また、自分のこだわった絵肌を表したいというこだわりも生まれ、さまざまな素材を使いだしました。これはガッシュ(不透明水彩)とパステルの併用です。線を引いていくことと消していくことのなかで、綺麗な絵のバランスを探すことができました。色を絞って表現していることも綺麗です。



最後にOさんの作品です。Oさんは常に「私は目の前に見える物を、見ながらしか描けない」と言いながらも、「こんな風に描きたい」「こんな色にしたい」などと、かなりのこだわりの持ち主です。この作品は、ロシアのイコンを切っ掛けにして、それを自分なりにアレンジして描いています。頭から肩にかけての形の美しさや、手の表情の優しさ、コスチュームの表現等に独特のこだわりが感じられます。



少しずつ自分の表現を見つけつつある3人の方の作品を見ていただきましたが、アトリエにいると、他にも確実に絵に対する意識が変わってきていることが解ります。それは絵を一枚描くためにそれぞれの方が集めてきた資料が増えてきたことなどにも感じられ、絵の勉強が確実に一段階深まってきている証拠だと思います。(北)