2010年2月3日水曜日

展覧会へ向けての制作が始まりました。

横浜美術学院の絵画教室では、年一回展覧会を行っています。今年で3回目となる教室展ですが、年々作品も会場の大きさも(笑)スケールアップしています。今年は神奈川県民ホールの第4室と第5室が会場となりますので、かなり見応えのする展覧会になる事でしょう。

さて、今日お伝えするのは、デッサンコース水曜クラスの授業の様子です。このクラスでは通常基礎的なデッサンを授業の柱としていますが、展覧会作品の期間は自由制作の形を取っていますので、アクリルで描かれる方・パステル・色鉛筆などで描かれる方など、それぞれ使用してみたい画材を思い思いに使って制作されます。また、それぞれ描きたいと思う対象を見つけるのもなかなか大変な作業だと思うのですが、皆さん必死にテーマを探されていますね!モチーフで面白かった物があったので写真を撮ってみました。


チェコ・イタリア・ロシア・日本・・・さまざまな地域のお人形が並びまます。もともと色彩や表情が面白いのですが、人形固有に独特の世界がありますので、一枚の絵に表現されるとどんな世界になるのでしょうか・・・楽しみです。


コラージュをやってみたいという生徒さんがいらっしゃったので、受験生が描いた作品を使用してコラージュのポイントを説明しています。


B1サイズ(ちょっと大きめですね)に、クレヨンで丹念に下地を作られていました。ただ今、講師と構図について相談中・・・写真を元に描かれるという事ですが、トリミング次第で絵の表情が随分変わりますね。写真を元にされる方でも、ちょっと下書きなどされて構図の確認をされると良いと思います!


すでに、描かれている方も・・・。先日のスポット講座「画材の基礎知識」を受講して頂いて、ちょっとヒントを得たようです。新たな表現のきっかけになるとよいですね。



一方で、デッサンをされたい方、今回の展覧会には出品しない方には通常通り課題を組んでいます。今回は石膏像と、植物を中心としたモチーフです。

展覧会まで後○週間・・・というカウントダウンはしない方がいいですね(笑)。皆さんの作品が、展覧会までに完成するよう、講師陣も全力を尽くします!







2010年2月1日月曜日

画材の基礎知識Vol.2

昨日、画材の基礎知識Vol.2「紙、キャンバスの活かし方、楽しみ方」と題しての、スポット講座を行いました。前回は主に絵具についての基礎をお伝えしましたが、今回は紙やキャンバスなどの種類のご紹介と、下地の効果についてお話ししました。前半は講義形式で、テキストを使いながらの講義です。


普段何気なく使われている紙やキャンバスがどのような性質の物なのか、基本的な事にポイントを絞ってお話をしましたが、「支持体」「目止め」「下地」「描画層」など具体的な話になると耳慣れない素材の名前が出てきて、初めての方はちょっと戸惑われたかもしれませんね。こうした内容は、制作しながらご自分の制作に関係のあるところから徐々に理解を深められれば良いと思いますので、今回の講義で全て理解出来なくても大丈夫です。ご不明な点はいつでもお気軽にご質問下さい。あえて強調しておくとすれば「油性下地の上に、水性の描画材はのらない」といったところでしょうか。フナオカなどの良質の油性下地キャンバスに「ジェッソで下地を作って油彩を描いて下さい」といった誤った認識を持っている画材店の定員もいますのでその点は強調しておきたいところです。確かにジェッソ自体は便利な下地材ですが、製品の説明書きにも「油性キャンバスの上には塗らないで下さい(ホルベイン)」と控えめに書いてあります。キャンバスでアクリル画を描かれる場合は、「アクリル用」もしくは「油彩・アクリル共用」と書かれたキャンバスを選ばれれば良いと思います。

大体の解説が終わったところで、事前に準備しておいたさまざまな下地と描画のサンプルを見て頂きました。


今回は「支持体」として「コンパネ(ベニヤ板の安価な物)」を使用し、そこに綿布紙・麻布などを張込み、膠・白亜地・アクリル系メディウム・ジェッソなどの素材で下地を施しました。合計20枚のサンプルが並びました。


素材のみならず、表現もいろいろで、皆さん実際に手に取られたり、写真に撮ったりととても熱心に観察されていました。具体的な質問も飛び交い、かなり興味を持たれたようです。

さて、後半はおまけの「パステル作り」です。



はじめに講師の実演があり、その後で皆さんに実際に作って頂きました。パステルにもいくつか種類がありますが、今回は水溶性のメディウム「アラビアゴム」で練った、ソフトパステルの処方です。メディウムの濃度によってソフトにもハードにも作れますし、蝋や油で練れば「オイルパステル」になります。今回の作り方はごく簡略化した物ですので、作り方自体は簡単ですが、あえてポイントと言えば「水分量」でしょうか。ゆるすぎれば当然形になりませんし、固すぎるとひび割れがおこったりしやすくなります。何本か作られるとコツが掴めると思いますので、ぜひ機会がありましたらご自宅でもお試し下さい!