2010年2月1日月曜日

画材の基礎知識Vol.2

昨日、画材の基礎知識Vol.2「紙、キャンバスの活かし方、楽しみ方」と題しての、スポット講座を行いました。前回は主に絵具についての基礎をお伝えしましたが、今回は紙やキャンバスなどの種類のご紹介と、下地の効果についてお話ししました。前半は講義形式で、テキストを使いながらの講義です。


普段何気なく使われている紙やキャンバスがどのような性質の物なのか、基本的な事にポイントを絞ってお話をしましたが、「支持体」「目止め」「下地」「描画層」など具体的な話になると耳慣れない素材の名前が出てきて、初めての方はちょっと戸惑われたかもしれませんね。こうした内容は、制作しながらご自分の制作に関係のあるところから徐々に理解を深められれば良いと思いますので、今回の講義で全て理解出来なくても大丈夫です。ご不明な点はいつでもお気軽にご質問下さい。あえて強調しておくとすれば「油性下地の上に、水性の描画材はのらない」といったところでしょうか。フナオカなどの良質の油性下地キャンバスに「ジェッソで下地を作って油彩を描いて下さい」といった誤った認識を持っている画材店の定員もいますのでその点は強調しておきたいところです。確かにジェッソ自体は便利な下地材ですが、製品の説明書きにも「油性キャンバスの上には塗らないで下さい(ホルベイン)」と控えめに書いてあります。キャンバスでアクリル画を描かれる場合は、「アクリル用」もしくは「油彩・アクリル共用」と書かれたキャンバスを選ばれれば良いと思います。

大体の解説が終わったところで、事前に準備しておいたさまざまな下地と描画のサンプルを見て頂きました。


今回は「支持体」として「コンパネ(ベニヤ板の安価な物)」を使用し、そこに綿布紙・麻布などを張込み、膠・白亜地・アクリル系メディウム・ジェッソなどの素材で下地を施しました。合計20枚のサンプルが並びました。


素材のみならず、表現もいろいろで、皆さん実際に手に取られたり、写真に撮ったりととても熱心に観察されていました。具体的な質問も飛び交い、かなり興味を持たれたようです。

さて、後半はおまけの「パステル作り」です。



はじめに講師の実演があり、その後で皆さんに実際に作って頂きました。パステルにもいくつか種類がありますが、今回は水溶性のメディウム「アラビアゴム」で練った、ソフトパステルの処方です。メディウムの濃度によってソフトにもハードにも作れますし、蝋や油で練れば「オイルパステル」になります。今回の作り方はごく簡略化した物ですので、作り方自体は簡単ですが、あえてポイントと言えば「水分量」でしょうか。ゆるすぎれば当然形になりませんし、固すぎるとひび割れがおこったりしやすくなります。何本か作られるとコツが掴めると思いますので、ぜひ機会がありましたらご自宅でもお試し下さい!