2017年6月5日月曜日

人物講座

短期講座「人物を描く」、終了しました〜。



今回はアンリ・マティスの「金魚」という作品を背景に、その絵の中でも印象的な「赤・黒・緑」などの色彩を生かしてモデルさんのセッティングを行いました。(上記:アトリエの制作風景より)


アンリ・マティス
「金魚」(1912)


飾り気のないいつものアトリエでも、このポスターひとつで、ぐっと雰囲気が華やかになりますした。その雰囲気は制作していた方々のモチベーションアップにもつながったような気がします^^

仕上がった作品より一部ご紹介。


Iさん作品

パステルを使用した作品です。

コスチュームの赤が非常に印象的な作品に仕上がりました。丹念に何層もパステルを重ねたニュアンスのある壁の色や肌の色に対し、きっぱりとした黒と白のストライプが画面を引き締めていますね。マティスのポスターの描かれ方も上手く、金魚や植物の動きのあるリズムが画面を面白くしています。

常に絵心を忘れない、Iさんらしい作品です。



Oさん作品

アクリルを使用した作品です。

人物の胸から上と、描く部分を絞り込むことで人物の表情を上手くつかんだ作品になりました。肌や背景、植物などの色調が静かな雰囲気のある統一された画面感を作っています。人物を描くと、目鼻立に意識がいってしまう方が多いですが、Oさんのこの作品では、顎から首筋、肩にかけての流れなども美しく、柔らかい形態感が魅力的な1枚です。




Uさん作品

水彩作品と、色つきの紙に描かれたスケッチの2作品を制作しました。

水彩は、とてもバランスのとれた色調で描かれ、ポスターや植物、壁に至るまでとても丁寧に絵の具が置かれています。人物のコスチュームのしわのとらえ方も自然で、赤の濃淡が美しいです。体と頭部、手の大きさ、椅子の座面など、若干大きさのバランスが狂っているのが残念です。

最後の1ポーズで描いたスケッチも素敵ですね。人物をじっくり描く機会というのはあまりないと思いますので、講座の間、1枚だけではなく時折素材を変えて軽くスケッチするというのも勉強になると思います。




Fさん作品

油彩による作品です。なんと人物画は初めて!というFさん。初めてでここまで描ければ言うことはありません〜 ^^;マティスのポスターもかなりのレベルで再現できてますね!


Fさん作品2

上記の油彩を描く前に制作されたデッサンです。こちらも上手!コスチュームのしわなど、まだ形になっていない部分などありますが、この手を抜かないで描ききってしまう所が素晴らしいですね。

ご本人は、ちょっと硬くなってしまっているのが気になるということで、今後その辺りはいろんな絵を参考に、絵作りを研究していただければ良いな〜と思っております。



今回の人物講座では、上記作品以外にも、デッサンを中心に学ばれた方、水彩によるスケッチでたくさんの作品を描かれた方など、様々な素材で、ご自分のペースで楽しみながら学ばれていたのが印象的でした。皆様、お疲れ様でした!(秋)