2017年6月26日月曜日

半抽象画で描く静物

6月に行った、短期講座「半抽象画で描く静物」終了しました〜!

「半抽象画」というジャンルはそもそもありませんが^^; …
今回は、ものをきちんと描写するという表現から離れて、思い切り「絵肌」「色彩」「線」「形」といった、絵の造形要素としてとても重要な内容に着目していただきたく、授業を企画しました。

授業では、幾つかの作家の作風をお手本に、

 ① 下地作り(色彩とマチエール)
 ② デフォルメと画面構成(線の表現と構図)
 ③ 絵の具を置いていくプロセス(地と図の関係)
 ④ 画面に変化をもたらすコラージュ表現

といった内容をポイントとして説明を交えつつ授業を行いました。なお、今回の課題では、静物モチーフは無し。代わりに瓶や壺、コーヒーミル、コーヒーポット、メガネ、パイプなどの写真素材を皆さんに共通で配布し、それらを自由にデフォルメ、構成していただきながら描いていただきました。

みなさん、戸惑いや不安もありつつも、授業全体としては楽しみながら、さまざまななことに挑戦され、結果的にはほとんどの方が良い結果で授業を終了することができました。

一部未完成のものもありますがご紹介させていただきます。



Iさん作品 水彩

抑えた色彩も綺麗ですが、コラージュの用い方、形態の捕まえ方など
とても計算されています。
コーヒーミルの形の作り方など洒落ていますね!




Tさん作品 水彩

2枚制作されました。線の表現と色彩やコラージュをどのように絡めるかとてもよく研究されています。いずれも黒の色調がうまく画面をまとめています。



K.Kさん作品 水彩

コラージュに葉っぱを貼ってみたり、絵の具を滲ませたり垂らしたり、
実験的に行った表現が効いています!
色彩も綺麗ですね^^



T.Kさん作品 アクリル

時間が足りず、未完成なのが残念ですが、温かみのある形態の掴み方が
絵の雰囲気をまとめています。是非、続きを見たいものです^^



K.Jさん作品 水彩・パステル

彩度の高い色を積極的に使いつつ、爽やかな色調にまとめています。
モチーフにはなかったテーブルクロスの模様の扱いが上手です!




Fさん作品 油彩

2枚制作されました。
モチーフなど構成要素は同じですが、全く異なる雰囲気の絵を模索されています。
絵肌も面白く、線の表現もいいですね!
2枚目の作品はもう少し手を入れるとより面白くなりそうです^^



U.Uさん作品

デフォルメすることが今ひとつピンときていなかったUさんですが、
ランプの扱いやメガネの表現など温かみのある雰囲気に仕上がっています。




Oさん作品

青系の色がお好きだというOさん。
いろいろ試行錯誤されていましたが、透明感のある色調が美しい
画面になりつつあります。これも完成作が見たいですね!




U.Mさん作品 油彩

色にこだわりのあるUさん。
今回、すでに下地から綺麗でした^^
デフォルメされたモチーフも可愛らしく、味がありますね^^



今回の授業でお話しさせていただいたことは、「半抽象表現」の絵の作り方ではなく、具象でも抽象でも使える様々なエッセンスをお話しさせていただきました。今回限りにするのではなく、是非今後の制作にも取り入れてみてくださいね!(秋)



2017年6月5日月曜日

人物講座

短期講座「人物を描く」、終了しました〜。



今回はアンリ・マティスの「金魚」という作品を背景に、その絵の中でも印象的な「赤・黒・緑」などの色彩を生かしてモデルさんのセッティングを行いました。(上記:アトリエの制作風景より)


アンリ・マティス
「金魚」(1912)


飾り気のないいつものアトリエでも、このポスターひとつで、ぐっと雰囲気が華やかになりますした。その雰囲気は制作していた方々のモチベーションアップにもつながったような気がします^^

仕上がった作品より一部ご紹介。


Iさん作品

パステルを使用した作品です。

コスチュームの赤が非常に印象的な作品に仕上がりました。丹念に何層もパステルを重ねたニュアンスのある壁の色や肌の色に対し、きっぱりとした黒と白のストライプが画面を引き締めていますね。マティスのポスターの描かれ方も上手く、金魚や植物の動きのあるリズムが画面を面白くしています。

常に絵心を忘れない、Iさんらしい作品です。



Oさん作品

アクリルを使用した作品です。

人物の胸から上と、描く部分を絞り込むことで人物の表情を上手くつかんだ作品になりました。肌や背景、植物などの色調が静かな雰囲気のある統一された画面感を作っています。人物を描くと、目鼻立に意識がいってしまう方が多いですが、Oさんのこの作品では、顎から首筋、肩にかけての流れなども美しく、柔らかい形態感が魅力的な1枚です。




Uさん作品

水彩作品と、色つきの紙に描かれたスケッチの2作品を制作しました。

水彩は、とてもバランスのとれた色調で描かれ、ポスターや植物、壁に至るまでとても丁寧に絵の具が置かれています。人物のコスチュームのしわのとらえ方も自然で、赤の濃淡が美しいです。体と頭部、手の大きさ、椅子の座面など、若干大きさのバランスが狂っているのが残念です。

最後の1ポーズで描いたスケッチも素敵ですね。人物をじっくり描く機会というのはあまりないと思いますので、講座の間、1枚だけではなく時折素材を変えて軽くスケッチするというのも勉強になると思います。




Fさん作品

油彩による作品です。なんと人物画は初めて!というFさん。初めてでここまで描ければ言うことはありません〜 ^^;マティスのポスターもかなりのレベルで再現できてますね!


Fさん作品2

上記の油彩を描く前に制作されたデッサンです。こちらも上手!コスチュームのしわなど、まだ形になっていない部分などありますが、この手を抜かないで描ききってしまう所が素晴らしいですね。

ご本人は、ちょっと硬くなってしまっているのが気になるということで、今後その辺りはいろんな絵を参考に、絵作りを研究していただければ良いな〜と思っております。



今回の人物講座では、上記作品以外にも、デッサンを中心に学ばれた方、水彩によるスケッチでたくさんの作品を描かれた方など、様々な素材で、ご自分のペースで楽しみながら学ばれていたのが印象的でした。皆様、お疲れ様でした!(秋)