初めての方にとって絵を描く事は何事も難しく、戸惑う事ばかりかと思いますが、ある程度経験を積んで枚数を重ねると、少し余裕が出てきて勉強も次の段階に入ります。「対象を見て描く」という事から、「対象を利用して絵を作る」という事へのステップアップです。この時期には、描く前に完成の絵のイメージをもつ事の大事さを教室の中でも繰り返しアドバイスしていますが、そうは言ってもなかなか簡単にできる事ではありません。「自分が描きたい絵はどんな絵なのか」頭の中だけではイメージするだけではなかなか形になりません。エスキースにより手を動かして、手で考えることにより、イメージは徐々に具体的になってくるのです。その為の具体的な手法と素材の選択について、11月14日のスポット講座「絵画制作の基礎知識」で、実例を用いて解説を行ないます。先月まで絵画コースで実際に皆さんに描いていただいていたひとつのモチーフから、約50枚のエスキースを展開させ、イメージ作りを行なっていったその過程を見ていただこうと考えています。ここではその一部をご紹介します。