2010年8月3日火曜日

予習版!短期講座第3弾「古典技法を学ぶ」

暑い日が続きますね〜!アトリエでは、あまりの暑さに8月は授業をお休みをされるという方もいらっしゃいますが、ご自宅でも熱中症・夏バテなどお気をつけてお過ごし下さい。

さて、9月開講の短期講座「古典技法を学ぶ」の告知をHPに掲載しました。それに伴い、本ブログでは今回の授業内容を予習的にお伝えしていく予定です。ご興味ある方、是非お付き合い下さい。

今回描いて頂くのは、↓ です。




上の画像は今回制作する作品のサンプルです。(未完)
なかなか上手ですね。講師が描いているのですから当たり前ですが、実はこれはテンペラという技法に助けられてもいるのです。ということは・・・??

使用している画材は、皆さんおなじみの「油絵具」に加えて「テンペラ絵具」というものを併用して使っています。絵具の歴史は、画面に色材をくっつける材料の歴史でもあることは、多くの方がご存じだと思いますが、テンペラ絵具というのは、ヨーロッパで油彩が誕生する以前に使用されていた絵具で、油の代わりに卵を使って顔料を練っています。今回の講座では、いくつか面白い山場を用意していますが、そのひとつとして、卵を使ったテンペラ絵具を手作りするところから体験して頂く予定です。

テンペラ絵具とは、卵を乳化させたもので絵具を練ります。つまりマヨネーズのような状態です。マヨネーズは水にも溶けますし、油にも溶けますね。マヨネーズ状になった卵に顔料を混ぜると、水にも油にも溶ける絵具が出来上がります。水で薄く溶いたテンペラ絵具は水彩絵具のように乾きが早く、どんどん描き進める事ができ、そして、油絵具と交互に使う事が出来ます。また、油絵具以上に鮮やかな発色の良さもその魅力のひとつといえるでしょう。有名なボッティチェッリの「ヴィーナス誕生」はテンペラを使用して描かれています。

今回の授業では、テンペラ絵具の水とも油とも相性の良い性質を使った、テンペラ絵具と油絵具のお互いの良さを上手く利用した<混合技法>を学びます。今回は「〜技法を学ぶ」ですから、ふたつの絵具を効果的に使い分ける方法や描画のポイントなど技法的な事もしっかり学んでいきたいと思います。その内容については、次回のブログより少しずつお伝えしていきます。