2010年6月21日月曜日

「短期講座 人物を描く」七日目とクロッキー教室

そろそろゴールが近くなってきた七日目。この講座、モデルのポーズ時間が20分ずつと決まっているせいか、授業中の皆さんの集中力はものすごいです。ダレる事がありません!受講生の中には「え塾」の授業をこの短期講座を含め、週3コマも受講して頂いている生徒さんもいらっしゃるのに「人物は、楽しいわ〜」と仰って、とても楽しんで描いて頂いています。授業を運営している者にとっても、嬉しい限りです!


さて、時間が迫ってくると「顔が出来ていない!」「手も描けていない!!」「ネックレスが描けていない!!!」と焦りが出てきてとにかく仕上げたい気持ちになってきますね。でも、近視眼的に描写する事は禁物です。ポーズ中はずっと描いていた、モデルの休憩中も描き続けた、なんていう場合は細部に気をとられすぎて、全体感を見失ってしまう危険性大です!難しい事ではありますが、自分の絵を見る時間を極力作るようにしましょう。

授業中によくお話しする事ですが、絵を見る人は実際にモチーフやモデルがどんなだったかという比較はあまりしないものです。絵、それだけを見ますよね。ですので、その絵の中で完結していれば良い訳で、自分の絵の中で必要がないと思えば、ネックレスもコスチュームの柄も思い切って省いてしまう事もありです。そして、絵の中でそういった物を描く事が絵の魅力となり得ると思えばどんどん活用しましょう!何をどう描けば良いのかは、画面が教えてくれます。自分の画面が見られるようになれば、絵を作る事の面白さが見えてきますよ。




Oさん作品

Oさんは、経験量自体はそれほど多くはないのですが、元々非常にバランスがよく、描けば描くほど形が良くなっていきます。また、細部を描きながらもクロッキー的な動きを押さえる事が上手く、単調になる事が少ないです。ただ色彩が汚れる事を嫌い、澄んだ色で描こうとする反面、ホワイトを多用しすぎて途中白濁してしまう場面もありました。明るい部分を描く時、ホワイトを混ぜた絵具を使うだけでなく彩度の高い色を使っていく事をご提案し、ルノアールの図版を1枚参考にお渡ししました。熱心なOさん、あの1枚の図版からきっと何かを得て下さる事と思います。来週が楽しみですね。


おまけ

6月20日はクロッキー教室の日でした。定員は20名でしたが、今回のクロッキーは予備校生である「ハマ美生」の参加が多く、「え塾生」との比率が1:1という構成になりました。高校生や浪人生などの受験生に挟まれての授業は、「え塾」のみなさんにとってはやや緊張する空間だったかも知れませんね(笑)。でも、ひとたびポーズが始まると、そこはやはり上手くなりたい一心ですので、皆さん真剣にクロッキー帳と格闘されていました。

ポーズ終了後には、今回の授業でもっとも上手くいったと思う作品を選んで頂き、アドバイスして終了となりました。いくつか形を捉えていく際のアドバイスやイメージ作りなどお話しさせて頂きましたが、「え塾生」の方々に今回もっとも印象に残ったのは、同じように熱心に制作する受験生の姿だったかも知れません。