2009年10月27日火曜日

日本画第一作!!

日本画クラスが始まって2ヶ月が過ぎようとしています。この2ヶ月間は、実際の制作を進行させながら、日本画の描画材である、胡粉や膠、顔料など、描画材の説明を挟みつつ授業を進行させました。一般的な水彩画や油彩画は、小学校から高校までの授業の中で、描いたり見たりした経験が少なからずあるものなので、皆さん、漠然とでも描いていくイメージはお持ちだと思います。ところが、本格的な日本画は、実際に完成した絵を見た事はあっても、描いている途中経過を目の当たりにするという機会はほとんどないと思います。ですから、初めて日本画の描画材や描くプロセスに触れると、ちょっとした新鮮さを感じます。絵の具は粉末状で、使うごとに膠で溶いていきます。日本画の顔料というのは、油彩や水彩に使われる顔料よりも粒子が粗く、筆で描いていてもその物質感が伝わってきます。この粒子の粗さが、日本画固有の絵肌を作っているのです。一件難しそうですが、授業では描画材のひとつひとつについて少しずつ知識を増やして頂きながら、そして実際に自分の手で扱って頂いて、それを理解して頂いています。


さて記念すべき日本画コース最初の課題です(Iさん作品)。今回はF4号という小さめの画面で、洋梨・カボスをモチーフとして描きました。Iさんは日本画のコースに入られる前まではデッサンコースで学んでいらっしゃいましたので、大まかな印象を捉えるという事までは、比較的早く進められるようでした。まだ日本画特有のすっきりとした絵画空間であるとはいえませんが、時間をかけてじっくりとモチーフを見続け、作品に密度をもたせることが出来ました。日本画の顔料が見せてくれるマチエールが新鮮です。次は画面を少し大きくして、百合の花に挑戦です。